*今日もお宅に伺います。在宅保健医療部

中央病院の2階に私たちの拠点があります。
毎日、医師と看護師のペアで患者さんのお宅訪問です。
訪問診療、往診を担当している部署です。
どんな方が利用されているかというと、手や足が不自由で、病院に通院できない方。
認知症のために一般の外来通院が難しい方、がんや高齢(いわゆる老衰)の為の緩和治療が必要な方、神経難病の方が利用されています。患者さんご家族の要望に応じて家で最期を迎える(在宅看取り)お手伝いもさせてもらっています。
先日も99歳の方の旅立ちのお手伝いをさせてもらいました。
若い頃は裁縫で腕をならし、食べる事が大好きで毎年のとうもろこしを楽しみにしていました。私たちとの出会いも、冬場だけのかかわりでしたが、数年前から物忘れが次第に始まり外来での待ち時間にも支障を来たしてきました。
月に1回のお付き合いでしたが毎回お宅に伺うたびに色々なことを教えてくれました。
時には研修の医師が同行したときには、「こんな年寄りが居る事をよーく見ておきなさい。」
研修医にまじまじと自分の生き様を語りかけていました。
年には勝てません、3月ごろから徐々にADLが低下してきて、5月の初めには座位もとれなくなりました。しかし食べる事だけは決してあきらめてません、好きなものを食べれる分だけ(こうなると体の欲しがる量は決まってきます、無理がありません)美味しそうに召し上がってました。
しかし、死期は迫っています。ご家族と何回も話し合い病状の確認、ケアマネージャーに必要なサービスプランの組み直し、訪問看護師に家族支援を依頼しました。
ある時ご家族から、「ばーさん、病院じゃダメだって、父さんと同じ様に家から出してくれ」って言っていたんだ。在宅での看取りを希望されている事がわかりました。患者さんの最期の願いは在宅で支えるチームの連携でかなえる事が出来ました。食べることが大好きだった方らしく、旅立つ前日も美味しい物を食べれたそうです。年を重ねて人生の終盤に差し掛かった時、又は不治の病と解った時、みなさんはどのように生きたいですか?住み慣れた我が家で、いつものようにみんながそばに居ます。そんなお手伝いを私たちはしています。